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ミステリーシネマ神戸・はてな支店

永遠のセルマとミステリーシネマ神戸の抜粋です。

川の底からこんにちは 2010 ユーロスペース・ピア

284.日本映画(10年代)

監督・脚本 石井裕也 (ブルーリボン監督賞)

出演

満島ひかり(二年連続モントリオール・ファンタジー映画祭主演女優賞)

志賀廣太郎

岩松了

石井裕也が初の商業映画で史上最年少受賞した作品。

どこか自主映画の味わいを残していて、脱力系だ。

佐和子は生まれ故郷を家出して上京し5年、5度仕事を変えて、5人目の彼氏とつきあっている。

今は玩具メーカーの契約社員で、子持ちの男新井とつきあっている。

娘は加代子といい、子供嫌いの佐和子になかなか、なつかない。

佐和子はそんな自分を「中の下だから」と万事についてあきらめている。

ある日、叔父(岩松了)が「父(志賀廣太郎)が倒れた」と連絡してくる。

酒飲みが祟って肝硬変になり長くないらしい。

父は地元でシジミをパックする工場を営んでいた。

佐和子は父の抜けた工場をイヤイヤ手伝う羽目になる。

しかし、従業員は地元のおばちゃんばかり。

佐和子が男と駆け落ちしたことも知っていて、彼女に辛く当たる。

やがて自暴自棄になった佐和子に恋人新井は嫌気が差し、女と逃げてしまう。

新井の娘加代子、病人の父とともに後に残された佐和子。

工場の業績も落ちるところまで落ちた。

そこで彼女はやっと開き直り、会社を建て直しはじめる。

ようやく目覚めた佐和子の姿におばちゃん達も心を開き、新しいシジミパックは売上を倍増する。

しかし、ついに父に最期の時が来た。

満島ひかりはテレビの主演だと一つしか引出を開けないが、映画だと、役に応じて変幻自在だ。

石井の脚本も脱力+コミカルでいい。

メジャー級の役者は満島しか出ていないが、どの俳優の持ち味も生かされていて、実に楽しかった。

この映画が封切られてから、石井と満島は結婚した。

結婚後は石井映画に満島が主演することはないそうだ。

それだけが残念である。