ミステリーシネマ神戸・はてな支店

永遠のセルマとミステリーシネマ神戸の抜粋です。

山桜 2008, ジェネオン

監督: 篠原哲雄

脚本: 飯田健三郎 、長谷川康夫

音楽: 四家卯大

原作: 藤沢周平

出演:

田中麗奈 :野江

東山紀之:手塚

篠田三郎:野江の父

壇ふみ :母

富司純子:手塚の母

村井国夫:諏訪平右衛門

「回り道をしても幸せになれる」ことがテーマ。

主演の田中麗奈たん(浦井野江役)のカツラは、はじめこそ違和感があったが、時間が経つにつれ慣れてしまった。

最後に涙を見せるシーンで、思わずもらい泣きした。

ちょうど一青窈の主題歌が掛かっていた。

相手役は東山紀之(手塚弥一郎役)、剣の使い手だが、台詞はほとんどない。

こんな役を、よくジャニーズ事務所がOKしたものだ。

手塚はかつて野江を遠くから見初めて、縁談を申し込んだが、

手塚が母子家庭だったので、浦井家の側が断った。

それ以来、手塚は嫁を取らない。

野江は最初の夫を病気で失ったが、金貸しを副業とする磯村家に再び嫁いだ。

亡き叔母の墓参の帰り、山桜が美しく、取ろうとするが、手が届かない。

そのとき「手折って進ぜよう」と手を伸ばしたのが、手塚だった。

「今はお幸せでござろうな」

そう尋ねて、立ち去った。

それが野江と手塚が交わした最初の言葉だった。

冬になり、不作で年貢米が払えず母と子を失った百姓を見て、増税を行い私腹をこらした、諏訪平右衛門(村井国夫)を手塚は斬る。

野江はそれを聞いて、磯村家から出た。

四ヶ月経っても手塚の処分は決まらない。

あの事件以来、年貢率は下げられて、ずいぶんと百姓の生活は良くなった。

切腹でもさせようものなら、百姓が騒ぎ出す。

殿の一ヶ月後の帰国を待って、ご裁可が下ると言うことだ。

手塚と出会ってから一年経って、再び山桜の季節がやってきた。

山桜を手折った、野江は手塚の老母が一人待つ家に向かう・・・

「とり返しのつかない回り道をしたことが、はっきりわかっていた。

ここが私の来る家だったのだ。この家が、そうだったのだ。

なぜもっと早く気づなかったのだろう」

富司純子(手塚の老母役)が印象的だった。

メイクだろうが、こんなに年を取ってしまった・・・

しかし、野江と二人で息子の帰宅を待つ姿は、幸せそうだった。

合間に山形の四季がふんだんに使われ、実に美しい。

しかしテンポは非常に遅い。

20分で読める小説を1時間半に引き延ばしているのだから、間合いの映像美を楽しむべきだ。

アメリカ映画の刺激感が好きという人には向いていません.